砕石による埋戻し工法のデメリットと工事業者選び

地耐力計算による埋戻し可否の判定例

「土砂に埋め戻し工法」を採用する場合には事前に地盤の確認が不可欠です。

手順は以下の通りです。

1. 埋戻しした場合の地盤にかかる、１㎡あたりの重量を計算します。
2.  竣工図書のボーリングデータから　「Ｎ値」を確認します。竣工図書がない場合でも、近隣のデータや当該地域の地盤から推定することもできます。
3. 長期許容地耐力表をみて、該当する地耐力を確認します。
4. ③＞①であれば　埋戻しが可能と言えます。③＜①なら、埋戻しはしないほうが良いということになります。
5. 埋戻しが可能な地盤であっても、建物の下（屋内）にある場合は、建物本体への影響の有無を専門家にご相談されるべきです。

大型トラックによる搬入経路の確保も課題

埋め戻しに使う砕石は、トラックで複数回にわけて行わなくてはならないためマンションの前面道路や敷地内の搬入経路の確保が課題となります。平面化や機械の入替で機械式立体駐車場の解体を検討される時、案外忘れられがちな問題は機械式立体駐車場の置かれた場所や前面道路など立地環境です。

機械式立体駐車場の設置は、ピロティや場合によっては建物自体より先に設置されることがあります。この場合「設置できたのだから同じように解体できるだろう」とはいきません。設置した時のようなクレーンや、大型の搬出入トラックが入らない狭い解体場所はたくさんあります。

また前面道路に制約がある場合は様々な手続きも必要です。埋戻し砕石搬入時のダンプカーの重量で敷地内のインターロッキングや前面道路からの進入路にある、側溝など公共施設を壊してしまうこともあります。これらの問題も十分検討されるべきことです。