機械式立体駐車場を解体して得られるのは「空き問題の解決」だけではありません。そもそも、駐車場の「解体」と表現をすると大袈裟な印象を与えますが、行政が定めた附置率に基づいて、竣工時に過剰につくりすぎた駐車場区画を「適正な数に戻す」だけのことです。そう考えれば、駐車場解体のハードルは下がります。これまでマンションのお荷物とされてきたガラ空きの駐車場スペースがお宝スペースに生まれ変わります。これからは積極的に駐車場の解体を検討する時代です。
保守点検・修繕・更新費用の削減だけじゃない
機械式立体駐車場を解体して得られる一番のメリットは、なんといっても駐車場設備の保守点検・修繕・更新費用といったメンテナンスコストが不要になることです。次に、解体跡地にできた平面化スペースを様々な用途で活用できることにも大きな価値があります。たとえば、解体後の平面化スペースを「平面駐車場」としての利用できるほか、ニーズが高いのが「駐輪場」「バイク置場」への転用です。
機械式立体駐車場を解体する4つのメリット
メリット1|空き問題の解決
マンションの駐車場に空きが生じる根本的な原因は、行政による附置義務により竣工時点で、需要を上回る駐車場がつくられたことです。将来を見据えても自動車の保有台数が減少していくことは確実視されているため、残念ながら、今後も駐車場の空きが増加することはあっても劇的な改善は期待できないでしょう。
これからは「空きが多くて仕方なく解体する」という消極的な対応ではなく、マンション敷地内の限られたスペースの有効活用の手法として、積極的に機械式立体駐車場の解体を検討する段階(=時代)が訪れています。
メリット2|コスト削減
機械式立体駐車場は、使っていなくても設備が存在する限り、点検・修繕費用といった日々のコスト負担は永久に続きます。
抜本的に問題を解決するには、駐車場の需要に合わせて機械式立体駐車場を減築する他ありません。ましてや、使われていない機械式立体駐車場をリニューアル(=更新)するほど無駄なことはありません。
抜本的に問題を解決するには、駐車場の需要に合わせて機械式立体駐車場を減築する他ありません。ましてや、使われていない機械式立体駐車場をリニューアル(=更新)するほど無駄なことはありません。
使われていない機械式立体駐車場の方がむしろ老化が早く進み、放っておくとパレットや設備の老朽化で重大事故を引き起こす恐れがあります。敷地内の機械式立体駐車場の一部だけでも解体すれば、その分の更新費用を大幅に削減することが可能です。
メリット3|使い勝手の改善
マンションの駐車場の空きが増加した一因としてあげられるのが機械式立体駐車場のサイズ制限です。機械式立体駐車場では、概ね車高が、1550ミリに制限されているので、これでは今流行のRVやミニバンなどの背の高い車を駐車することはできません。
既存設備 | 平面化後 | |
全長 | 5,000 mm | 5,100 mm |
全幅 | 1,900 mm | 2,500 mm |
全高 | 1,550 mm | 制限なし |
重量 | 1,800 kg | 2,500 kg |
入出庫時の待ち時間も機械式立体駐車場が敬遠される理由のひとつです。ですから、使い勝手の悪い「機械式立体駐車場」を「平置き駐車場」に変更することで契約台数を増やす効果が期待できます。
メリット4|跡地の有効活用
視点を変えて空き問題をポジティブに捉えれば、実はマンション敷地の限られたスペースの中で、デッドスペースといる空き駐車場が存在するのは、幸運なことなのかもしれません。なぜなら、 機械式立体駐車場を解体して得られたスペースを別の用途で有効活用すれば、これまでスペースの制限で実現できなかった新たな取り組みを実現でき、空き問題の解決と合わせて一石二鳥です。
駐輪場不足の救世主として
平面化スペースは様々な用途で活用できますが、特に駐輪場へ転用する管理組合が増えています。駐車場の空き区画の増加とは対象的に、健康志向やエコロジーの視点から自転車の台数は増える一方で、駐輪場不足が顕著なマンションが増えているからです。
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