
機械式駐車場の解体平面化を検討する適切な時期
機械式駐車場の維持コストに悩むマンションが増えるなか、解体・平面化は有効な選択肢のひとつとして注目されています。ただし、費用や合意形成の難しさもあり、思い切った判断ができずに先送りにされがちです。だからこそ、適切な時期を見極め、準備を整えておくことが重要です。設備更新の見積もりが届いたときや大規模修繕と重なるタイミングは、検討の好機となります。本記事では、機械式駐車場の解体平面化を検討するための適切な時期と準備の進め方について解説します。
解体平面化を検討を始めるきっかけ
機械式駐車場の解体平面化を理事会で検討し始めるきっかけには、次のような事例があります。
- 管理会社から高額な設備更新(リニューアル)見積りが届いた
- 老朽化により錆や異音、動作不良などが発生している
- 総会で「駐車場の空きが多すぎる」といった不満の声が上がった
上のような出来事をきっかけに、管理組合で機械式駐車場を「このまま維持すべきか?」「別の活用法があるのではないか?」と、解体平面化を検討する流れになることが大多数です。
機械式駐車場の耐用年数とは?
まず、検討の基礎知識として知っておきたいのが、機械式駐車場の耐用年数です。
<機械式駐車場の耐用年数>
- 税法上の法定耐用年数は15年
- 実際の使用年数はメンテナンス次第で20~30年
- モーターやチェーンなど主要部品は10〜15年で交換が必要
- 屋外設置や使用頻度によって劣化の進み具合が変わる
つまり、「15年経ったから即解体平面化」ではありませんが、20年を過ぎたあたりから本格的に対応を考える時期に入ってきます。
解体平面化を検討すべき3つのタイミング
解体平面化を進めるために必要な理事会での準備
理事会で検討を本格化させる際には、以下のような準備を行っておくとスムーズです。
- 過去数年の空き区画の推移を一覧表にまとめる
- 住民にアンケートを配布し、今後の車保有予定を把握する
- 解体平面化業者からの概算見積もりを取得する
機械式駐車場を解体平面化するには最終的に総会の決議が必要となります。スムーズに合意形成を進めるには、客観的なデータをもとに、感覚ではなく数字で判断する材料を整えることが大切です。
見積りは主体的に取得することが重要
確認しておきたいのは、解体平面化の見積書は、待っていても届かないという点です。 マンション管理会社や点検業者、機械式駐車場メーカーは、機械式駐車場の点検や修理費用そして、機械式駐車場を更新(リニューアル)することで収益を得ているため、積極的に解体平面化を勧めることはほとんどありません。したがって、理事会から主体的に工事業者に見積もりを依頼することが解体平面化を成功させる第一歩となります。
今回のポイント
機械式駐車場は、空き区画の増加や維持費の高騰、老朽化によるリスクなど複数の課題を抱えやすく、対応を先送りにすることで将来的な負担が大きくなる可能性があります。検討に適した時期としては、設備更新の提案が届いたとき、大規模修繕と重なるタイミング、あるいは事故リスクが顕在化したときなどが挙げられます。アンケートや空き状況の整理、主体的な見積もり取得を通じて情報を「見える化」し、理事会主導で計画的に進めることが、賢い対応の第一歩です。