機械式駐車場解体平面化

機械式駐車場の解体平面化「鋼製平面化工法」の特徴

鋼製平面化工法は、機械式駐車場の撤去後に地下ピットを埋め戻さず、軽量鉄骨と鋼板で新たな床を構築する工法です。短工期で施工できるうえ、地盤や建物への負担が軽く、将来的に再び機械式駐車場をを再建しやすいという特長があります。特に軟弱地盤や屋内設置が求められるケースでは、有力な選択肢となります。本記事では、鋼製平面化工法のメリット・デメリット、施工手順、技術的な特長について詳しく解説します。

鋼製平面化骨組み

「鋼製平面化工法」のメリット

  • 場所を選ばない適用性
    軽量な鋼材を使用するため、既存建物の基礎や周辺地盤への負荷が少なく、軟弱地盤や屋内でも施工が可能です。
  • 埋め戻し工法と比較して短工期
    埋め戻し工法のような、コンクリートの打設や養生期間が不要なため、施工期間が短縮されます。
  • 機械式駐車場の将来的な再設置が容易
    鋼製平面で使用される部材は解体が比較的容易で、将来的に再度機械式駐車場を設置することが可能です。
  • 低騒音で施工可能
    埋め戻し工法のような、大量の砕石の投入を伴わないため、資材の搬入に使用するトラックも小型で済み工事車両の出入りを抑えられます。また、埋め戻し工法のような砕石の転圧も不要のため、周辺への騒音・振動は比較的抑えられます。

「鋼製平面化工法」のデメリット

  • 初期工事コスト
    鋼材の価格や施工技術の専門性から、埋め戻し工法と比較して工事費用が高くなる場合があります。
  • 維持管理がゼロにはならない
    経年により床板の再塗装や防錆処理が必要になるため、メンテナンスコストを見込んでおく必要があります。
  • 排水設備の維持管理
    既存の地下ピット内の排水設備(排水ポンプ等)は残す必要があり、平面化後もそのメンテナンスを継続することが求められます。
  • 荷重制限の可能性
    鋼製床板には設計上の耐荷重制限があります。一般的に駐車できる車両重量は、2.5トン(オプションで3トン)程度までとされており、それを超える大型車両は駐車できません。

施工手順

機械式駐車場の解体手順

以下の手順は一例です。

機械式駐車場の解体撤去

  1. 準備作業
    現場に仮設足場を組み、安全措置を講じます。また、機械式駐車装置の電源を遮断します。
  2. 解体撤去
    重機や手作業で機械式駐車場装置を上部から順次解体します。錆びたボルトは緩めたりガスバーナーで切断し、重量物はクレーンで吊り降ろします。解体した部材はすべて搬出・処分します。
  3. ピット清掃
    解体後、地下ピット内を高圧洗浄し長年蓄積した汚れや油分を可能な限り除去します。ピット深さは数メートルに及ぶため、作業終了時にはフェンスで開口部を塞ぎ安全を確保します。

鋼製平面化工法による平面化

  1. 墨出し・アンカー設置
    ピット底面や壁面に平面床を支える柱・梁の配置をマーキングします。マーキング位置に穴を開け、接着系アンカーボルト(ケミカルアンカー)を設置します。壁面には梁支持用ブラケットを取り付けます。
  2. 鉄骨架台の組立て
    ピット底面のアンカーボルトにベースプレート付きの鉄骨柱(軽量H鋼等)を固定します。次に柱間に梁を載せ、ブラケットと柱にボルトで緊結して骨組みを構築します。柱はピット底の勾配(水勾配)に合わせて根巻きモルタル等で水平を調整し、安定させます。
  3. 床板敷設
    鋼製の床板パネル(亜鉛メッキ鋼板等)を梁の上に隙間なく並べて敷き詰めます。床板のサイズや敷設方向はメーカー仕様によりますが、耐久性・メンテナンス性を考慮し車の進行方向と直角方向に敷く場合もあります。
  4. 仕上げ作業
    全ての接合部ボルトを本締めして固定します(現場溶接は通常行いません)。その後、駐車枠のラインを塗装またはテープ貼り等で表示します。また、車止めの後ろに点検口(ハッチ)を設けるケースが一般的です。

「鋼製平面化工法」技術的な特長

軽量鉄骨造と鋼製床板

鋼製平面化工法では、ピット内にH形鋼や鋼管等の軽量鉄骨柱・梁を組み、鋼板製の床板を載せます。溶融亜鉛メッキ鋼板や、プレメッキ鋼板が用いられることが多く、防錆性を確保しています。なお、鋼製平面はメーカーごとに使用する部材や工法が異なるため、選定の際には各メーカーの特徴を十分に把握することが重要です。

高い耐久性と防錆対策

床板や梁・柱など主要部材は亜鉛メッキ仕様で耐候性が高く、長期使用が可能です。現場では溶接を行わず全てボルト接合とする設計が推奨されており、メッキ剥離による錆発生や熱変形を防いで均一な仕上がりと耐食性を保っています。将来的に必要に応じ床板再塗装などのメンテナンスを行えば、超長期にわたり使用できる素材・工法です。

構造負荷の低減

鋼製平面化工法で用いられる部材は、埋め戻しに使用する砕石と比較して格段に軽量なため、既存建物の基礎や周辺地盤へ与える負荷が小さいという特長があります。その割に剛性・強度は十分で、床板は走行時のたわみも計算された設計となっており安全です。また、機械式駐車装置のパレット床に比べ凹凸が少なく、車の出入りもしやすいフラットな仕上がりになります。

施工の柔軟性

軽量でシンプルな構造のため、屋外はもちろん建物内地下や軟弱地盤上など設置場所を選ばず施工可能です。狭いピットやアクセスが悪い現場でも、部材の分割搬入・組立てによって対応できます。

排水設備の設置

鋼製平面化工法では、地下ピットを埋め戻さず空洞のまま利用するため、地下ピット内に雨水が溜まらないように、地下ピット内の排水設備(排水ポンプ等)は残置します。地下ピット内の排水ポンプ設備(排水ポンプ等)のメンテナンスが継続できるように、車止めの後方に、定期点検用のハッチを設け、地下ピット内に出入りできるように設計されています。

工期

鋼製平面化工法の施工期間は、埋め戻し工法に比べて養生期間等が不要なため迅速な施工が可能です。

今回のポイント


鋼製平面化工法は、軽量鉄骨と鋼板を使って短期間で駐車場を平面化できる工法で、地盤や建物への負担が少ない点が大きなメリットです。軟弱地盤や建物に隣接する現場でも対応でき、騒音や振動を抑えた施工が可能です。一方で、初期費用はやや高めで、将来的な防錆や排水設備の維持管理も必要となります。また、将来的に機械式駐車場を再建することも比較的容易です。これらの特徴を踏まえ、周辺環境への悪影響を抑えつつ、将来的な機械式駐車場の再建を見据えた場合に最適な選択肢となる工法です。

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