
機械式駐車場の解体平面化に関する総会決議
機械式駐車場の解体・平面化は、マンションの共用部分に関わる大きな変更であり、管理組合の総会での正式な決議が不可欠です。特に駐車場利用者への影響が大きいため、手続きを進めるうえでは区分所有法や管理規約に沿った慎重な対応が求められます。本記事では、総会で必要となる普通決議と特別決議の違い、議案作成時の注意点、影響を受ける住民への配慮や対応方法について詳しく解説します。
普通決議と特別決議
マンション管理組合の総会決議には、「普通決議」と「特別決議」の2種類があります。
機械式駐車場の解体平面化は
「特別決議」
機械式駐車場の解体平面化は、マンションの共用部分の変更に該当するため、特別決議が必要です。区分所有法に基づく特別決議の要件は以下の通りです。
- 区分所有者および議決権のそれぞれ4分の3以上の賛成
管理規約・使用細則の変更
機械式駐車場の解体平面化に伴い、駐車場の利用ルールが変更となる場合、管理規約や使用細則の変更が必要になります。解体平面化と同時に管理規約・使用細則の変更を行う場合、それぞれの議決要件を満たす必要があります。
- 管理規約の変更: 総会の特別決議が必要
- 使用細則の変更: 総会の普通決議が必要
総会決議における注意点
影響を受ける区分所有者への配慮
解体平面化によって既存の駐車場利用者に特別な影響を及ぼす場合、個別の承諾が必要となる場合があります。
例えば、解体平面化によって駐車場が完全になくなり、現在の機械式駐車場の契約者が敷地外の駐車場を確保する必要が生じる場合、特別な影響を及ぼすものと考えられます。このようなケースでは、影響を受ける区分所有者には個別に説明を行い、理解と協力を得ることが重要です。
<影響を受ける区分所有者への対応>
機械式駐車場の解体平面化によって既存の駐車場利用者に特別な影響が及ぶ場合、個別の承諾を得る必要が生じます。特別な影響を受ける区分所有者に対して、以下の内容を丁寧に説明し、理解と協力を得ることが求められます。
<説明すべき内容>
- 解体平面化の理由
- 解体平面化による影響
- 代替駐車場の確保
自らが代替駐車場の確保をするのが困難な場合等には、管理組合が近隣駐車場を借り上げて対応するなどの代替案を検討する必要があります。 - 補償内容(必要に応じて)
機械式駐車場
解体・平面化に関する議案の例
総会の議案書はこれまでの理事会での検討内容の根幹となるものです。、議案には「駐車場の解体を検討するに至った経緯」や「資金シミュレーション」結果などの資料を添付することで説得力が増します。
【第○号議案】機械式立体駐車場
解体・平面化承認の件
既設の機械式立体駐車場の一部撤去及び、平面化スペースへの駐輪場設置について種々の検討を重ね、施工方法・工事金額・工事発注先等について取り纏め致しましたので、本総会に上程致します。ご審議の程、宜しくお願い致します。
工事発注先
株式会社◯◯ 発注金額:0,000,000円(消費税等含む)
工事内容:
①機械式立体駐車場解体工事
②平面化工事
③駐輪ラック設置工事
*添付資料(見積書)参照
経緯
当マンションでは、2014年ころから駐車場に空きが増えた他、最近では設備の故障が数多く発生しています。そこで、前期理事会から機械式立体駐車場の空き対策を検討してきました。
空き区画が増えると管理組合の収入が減り、結果、管理費等の値上げが必要となります。そのため空き駐車場問題への対策として、外部の第三者への貸し出しやコインパーキング業者等への貸し出しを検討をしてきましたが、セキュリティーの確保に課題があります。
しかし、機械式駐車場をこのまま維持すると莫大な費用が必要です。さらに今後も住人の高齢化・少子化に加えて若者のクルマ離れ、カーシェアリングの普及などにより稼働率が下がることが予想されます。
そこで、先般回収した住人アンケートの結果などを踏まえ、機械式駐車場を撤去することが管理組合にとって最も適切であると判断致しました。
今回のポイント
機械式駐車場の解体・平面化には、共用部分の変更として総会での特別決議が必要となります。議案の検討にあたっては、影響を受ける利用者への配慮や丁寧な説明が不可欠です。管理規約や使用細則の見直し、代替駐車場の検討などもあわせて準備を進めることで、円滑な合意形成が可能になります。理事会は、課題と向き合いながら住民の理解と協力を得られるよう、丁寧な手続きと情報共有をおこなっていことが重要です。