機械式駐車場解体平面化

複数ある機械式駐車場は利用状況に応じた段階的アプローチ

複数の機械式駐車場を備えたマンションでは、すべてを一度に解体・平面化するのは現実的ではありません。設備ごとに利用状況や老朽化の進行具合、車種の対応可否などに差があり、それぞれの条件に応じた柔軟な対応が求められます。全てを一括で更新するのではなく、「使われていない設備から平面化」「一部は更新」「残りは維持」といった段階的な進め方が、費用・合意形成の両面で有効です。本記事では、複数基を抱えるマンションにおける段階的な対応方法について解説します。

利用状況を見極めて設備毎の優先順位をつける

複数の機械式駐車場設備

上の図のように、ABCDの機械式駐車場を個別に対応をおこなうことが可能です。AとBの駐車場は並んでいますが設備としては分離されされています。

複数ある機械式駐車場では、それぞれの設備の利用状況には差があります。その理由の多くは、設備ごとに収納できる車種が異なったり、入出庫の手間や待ち時間に違いがあることです。たとえば、「SUVが入らない」「入出庫に時間がかかる」などの理由で、特定の設備だけが敬遠されて空きが出ていることも珍しくありません

こうした状況を踏まえれば、利用されていない設備から優先的に解体・平面化するのが合理的です。使われていない設備に点検や修理費用などの維持コストをかけ続けるよりも、必要な設備に絞って整備することでが管理費や修繕積立金の節約につながります。

設備ごとの段階的な対応が現実的

機械式駐車場の平面化工事には、数百万円〜数千万円の費用がかかります。すべてを一度に対応しようとすると、管理費や修繕積立金への影響も大きくなり、合意形成が難しくなることも考えられます。

そこで有効なのが、機械式駐車場の設備ごとに対応を分ける方法です。「まずは利用率の低い設備から」「次に老朽化が進んだ設備へ」と順番に進めていけば、住民への説明や費用負担も分散でき、スムーズな合意形成が可能になります。

<更新と平面化を組み合わせた実例紹介>

東京都内のある分譲マンション(築28年・全290戸)では、敷地内に4基の機械式駐車場が設置されていました。設備はいずれも老朽化しており、修理費用も年々上昇。さらに、4基のうち2基は対応車種が小型に限られていたため、利用率が20%以下と低迷していました。

理事会では検討の末、次のような対応方針が決定されました。

  • 利用率の低い2基は撤去・平面化
  • 比較的利用率の高い1基は修理を続けながら当面維持
  • 老朽化が進んでいた残りの1基は設備を更新(リニューアル)

このように、「平面化」「更新」「現状維持」を組み合わせることで、無理のない段階的な対応が実現します。上の事例でも工事終了後の住民アンケートでは、「必要なところから着手した判断が良かった」「使われていなかった場所が有効活用されて助かる」といった声が寄せられ、満足度の高い結果となりました。

今回のポイント


複数の機械式駐車場を一括で平面化するのは理想的に見えるかもしれませんが、現実にはコストや合意形成の面で大きなハードルがあります。利用状況や老朽化の度合いを見極め、必要な部分から段階的に対応することが現実的かつ効果的なアプローチです。「一部を平面化」「一部を更新」「残りは維持」といった柔軟な組み合わせにより、住民の理解も得やすく、無理のない進め方が可能になります。まずは「どこから手をつけるべきか」から検討を始めてみましょう。

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