
機械式駐車場を解体平面化する際の注意点とデメリット
機械式駐車場の解体・平面化を検討する際は、費用や駐車台数の減少といったデメリットにも目を向ける必要があります。特に、工事費の負担、代替駐車場の確保、附置義務条例への対応などは、理事会として丁寧な検討が求められるポイントです。しかし、老朽化による事故リスクや維持費の増加を見越すと、長期的には平面化の方が合理的な場合もあります。本記事では、解体・平面化における注意点とデメリットについて詳しく解説します。
平面化工事の初期費用が高額
平面化工事には、選択する工法によっても異なりますが、機械式駐車場設備の解体撤去、地下ピットの清掃、平面化部材の搬入、組み立て、新たな駐車区画の整備などが含まれ、数百万円から数千万円に及ぶ費用が発生します。
しかしながら、機械式駐車場を維持し続けると、年間数十万円の保守費用や、部品供給の停止や装置の入れ替え(リニューアル)といった将来的なリスクがつきまといます。これらを踏まえると、初期費用をかけてでも平面化に踏み切ることが、長期的にはコスト削減につながる可能性が高いと言えるでしょう。
代替駐車場の確保と費用負担
工事中は既存の駐車スペースが使用できなくなるため、代替駐車場の確保が必要です。この間、近隣の月極駐車場を一括で借り上げるのではなく、各自が近隣の時間貸し駐車場(コインパーキングなど)を利用し、後日精算する方式が一般的です。いずれにおいても代替駐車場の費用を見込んで置く必要があります。
規模によって異なりますが、工期はおおよそ10日〜1ヶ月程度であることが多く、長期間にわたるケースはまれです。事前に近隣のコインパーキングの調査や、精算方法の取り決めをしておくことで、スムーズな対応が可能になります。
平面化後は駐車台数が減少
機械式駐車場は、上下・左右の立体構造によって、限られた敷地に多くの車を収容できます。これを平面化すると、構造上、どうしても駐車台数が減少します。
近年では「空きが多い」「使用希望者が少ない」といった現状も多く見られます。機械式駐車場の場合、利用していない設備も点検を続ける必要があり、維持コストがかかり続けます。実際の利用状況に応じて台数を適正化することで、無駄な維持コストの削減にもつながります。
附置義務条例への配慮が必要
「附置義務条例」とは、一定の建築物に対して必要な駐車場数の設置を自治体が義務づける制度です。平面化によって駐車台数が減る場合、条例違反になるのではないかという懸念があります。
近年では車離れや駐車需要の変化に伴い、国土交通省が附置義務の緩和を提案するなど、条例の見直しや柔軟な運用が進められています。 また、自治体によっては、駐車場の用途変更や台数削減に関する特例措置を設けている場合もあります。そのため、事前に自治体に相談し、必要な手続きを行うことで、問題なく対応できるケースが増えています。
今回のポイント
機械式駐車場の解体・平面化には高額な費用や駐車台数の減少、附置義務条例などの課題が伴いますが、老朽化による故障リスクや今後の維持費を考えると、長期的には平面化のほうが合理的な選択となるケースも少なくありません。特に利用率が低下している場合は、コスト削減にもつながります。重要なのは、問題を先送りせず、現状を正しく把握したうえで、理事会が前向きに判断し、将来の安心と利便性を見据えて行動を起こすことです。